便秘とは、大腸での水分の吸収が進みすぎ、
便がコロコロと硬くなったり、排便に困難を伴う常態です。
毎日排便がなくても、必ずしも便秘というわけではありません。
3日に1回の排便でも、便が硬くなく、
辛い症状がなければ便秘ではありません。
便秘かどうかは、残便感があるかどうかで判断します。
便秘の原因は、腸の動きが遅く、働きが弱くなることです。
腸の運動が低下する主な原因は、ストレスや精神的な緊張感です。
極力トイレに行かないように我慢する習慣がつけば、
腸の運動は低下し、便秘になります。
環境が変わると便秘がちになるという人も少なくありません。
記憶に新しい東日本大震災のときも、被災して避難所生活していた人の中には、
ふだん便秘に悩んだことのない人でも、便秘ぎみになった人が多いといいます。
特に、避難所の仮説トイレは数が少ない上に、衛生状態も良いとは言えませんから、
ゆっくり排便できるような環境でなかったことがストレスになったのでしょう。
同様に、阪神淡路大震災のときには、一説によると半数近い人が便秘になったと言われています。
このような大災害でなくても、海外旅行に行けば便秘を経験したことのある人もいるでしょう。
それは、トイレの使い勝手もわからないし、日本語がなかなか通じないという慣れない環境、
リラックスできない環境、ではなるべくトイレを我慢しようという気持ちが働くからなのです。
軽い緊張感が腸の運動を低下させるとともに、小便の回数も気にして
水分を控えることも、さらに便秘を加速させる原因となります。
さらに女性は水分を我慢したり、
ダイエットで十分に食事を摂らなかったりするために、
便秘気味になるといわれています。
過敏性腸症候群で便秘になるのは若い女性や閉経後の女性に多く、
過敏性腸症候群全体で見ると、男性よりも女性患者の数の方が多いです。