過敏性腸症候群の薬には、
現在困っている症状をとりあえず和らげる薬と、
ある程度の期間をかけて症状の原因となるものを
改善していくタイプの薬があります。
例えば、下痢にも便秘にも効果のあるポリカルボフィルカルシウムという薬は、
便のボリュームを増やすことで便秘を解消したり、
下痢便の水分を吸収することで下痢を防ぐ作用がありますが、
この作用により、膨満感という副作用を感じます。
過敏性腸症候群では腸が敏感になっていまるので、
普通よりもいっそう膨満感を強く感じるかもしれません。
このとき副作用が起こったと思って服用を中止してしまうと、
効果は現れません。
過敏性腸症候群では、抗うつ薬や抗不安薬などの
向精神薬を処方されることもありますが、
これらの薬は副作用や依存症があるから怖がる人もいます。
しかし、自己判断で中止したりせず、
一定期間は処方してみることが大切です。
また、薬は飲み合わせにも注意が必要となります。
すでに何らかの薬を使用している場合は、
必ず薬剤名を医師に伝えるようにしましょう。
薬局の薬を使う場合は、まず薬剤師に相談することをお勧めします。
下痢止めには、食あたりなどに使う殺菌作用のあるものがあり、
こうしたタイプは過敏性腸症候群の下痢には向きません。
腹痛や下痢などの場合は、
いわゆる下痢止めよりも、乳酸菌製剤などの整腸薬のほうが安心です。