ストレス源から切り離されれば治る!?

現在ではよく耳にするようになった「過敏性腸症候群」という名称ですが、

私が罹ったときにはまだ名前がありませんでした。

 

きっかけは、中学3年生の始業式。

いま思うと「3年生は受験に向けて気を引き締めるように」

という校長先生の話を聞いたことで

「学校生活全体」に対する緊張感が表に出たような気がします。

 

でも中学生の頃は、まだそれほど症状がひどいわけではありませんでした。

模試になると「お腹を壊したらどうしよう」と思うようになり、

模試の何回かに1回はトイレに行かせてもらう程度でした。

そのたびに正露丸をもらいましたが、私には効きませんでした。

 

第一志望高校への受験が失敗し、そんな自分を責めるようになってから、症状がひどくなりました。

高校へは18駅分の電車通学だったのですが、通学中に頻繁にお腹を壊していたため、

路線上の主な駅のトイレの位置は全部頭に入っているような生活になりました。

 

病院にも一度行ったのですが、「お産をすれば治る」と笑い飛ばされて終わり。

母親が病院嫌いだったため、他の病院に罹りたいとの願いも却下され保険証を出してもらえず、

「頻繁にお腹を壊してトイレに駆け込む」生活が日常となってしまいました。

 

高校3年生ともなると、大学受験へのプレッシャーがかかり、症状がさらに悪化。

授業中もお腹がざわつき、毎休み時間にトイレに駆け込んでいました。

「梅エキスが効く」とか「ビール酵母の錠剤がよい」などの対処法を聞いて試しはしたのですが、

私には効果が感じられなかったため続きませんでした。

 

その後、受験をなんとかクリアして大学生活を経て就職をするのですが、

「その場にいなければならない」「自分は興味がない」場面で、必ず症状が出ました。

大学の興味のない授業中・電車通勤中・会社の朝礼や会議中……

何度、退席したかわかりません。

 

不思議なことに、自分が興味があって心から好きな授業などの時は、お腹が落ち着いていました。

いま思うと、自分の「好き嫌い」を頭では認識できておらず、

身体がサインを出して「自分はそれがしたくないんだ、嫌いなんだ」

ということを教えてくれていた(?)ような気がします。

 

私の場合で言うと、「規律正しい集団行動」「興味のない授業」「自分の内側に動機を持てない会議」

「絶対に途中で降りられない満員の快速電車」などが嫌いだったのかな、と。

嫌いなのに無理をして適応しようとし続けましたから、身体がストレスを感じ、抵抗して症状を出していた……

そんな気がします。

 

自分で保険証が持てるようになってからも、会社を離れるまでは時間的な余裕もなく、

また何とか業務に支障なく過ごせていましたので、病院には罹りませんでした。

 

会社を離れてからも、満員電車・歯科医・美容院・ライブ会場・

収録観覧現場・冠婚葬祭などの途中退席しにくい場では「予期不安」が起き、必ず症状が出ていました。

このままでは社会に出られなくなると思い、まず胃腸科にかかり、整腸剤を処方されました。

 

症状が減れば自信ができ、予期不安が起きにくくなるだろうとのこと。

並行して心療内科に通いました。

ここで「ごく軽い抗不安薬」を処方されましたが、これが私には一番よく効きました。

 

心療内科ではコーチング(カウンセリング)も受けました。

「自律訓練法」により、緊張すると働く「交感神経」の働きをしずめ、

身体を副交感神経優位にもっていく呼吸法の一種です。

 

同時並行で行ったので、本当のところはどれが効いたのかはわかりません。

しかし、数年後には「緊張で」症状が出ることはなくなりました。

心療内科のカウンセラーの先生いわく、

「緊張場面から切り離される(そうした場に行かなくなった)ことにより、

身体の『緊張したら症状を出す』学習が薄れ、症状が消えた」とのこと。

 

つまり整腸剤も抗不安薬も自律訓練法も対処療法でしかなく、

根本のストレスから自分を切り離すことが一番の回復方法!?ということになります。

そう簡単にできることではありませんが……。

 

最近思うのは、人間も生物である以上、生物としての自然な「好き嫌い」があるということ。

それをコントロールできる人はこの症候群には罹らないのでしょうけど、

私の場合はこの「内なる自然」の要求が強く、

どうしてもコントロールができなかったので「あなたは本当はこれが嫌い(したくない)」んですよ!

と身体から警告が出ていたのかな?と思います。

 

本当は上の学校にも行きたくなかった?

会社勤めをしたくなかった?

早く気づいて「自分の心身(身の丈)に合った」生き方を探す方向に切り替えれば良かったのかな?

と今になって思います。

 

極端な話になってしまいましたので、他の方にはご参考にならないかもしれませんが……。

発症した時点で心療内科に通い始められたら、回り道せずに済んでよかったな、

というのが正直な気持ちです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL