今回は、新たな国民病といわれる
過敏性腸症候群と便秘について、お話します。
成人における有病率は10から15パーセント、
平均で12.5パーセントとなっており、
患者数は約1,200万人といわれています。
従来からストレスが原因で起こる病気であるとされ、
なかなか治りにくい病気であるとされていましたが、
最近、病気の解明がすすみ、新たな治療法が広がってきています。
ストレス説、内臓知覚過敏説、食物アレルギー説、
腸捻転説、細菌による腸管炎症説など、
さまざまな説があります。
従来からいわれているのがストレス説で、
ストレスが原因で消化管の運動機能が障害されて、
便秘や下痢が生じるという説です。
しかし、同じストレスでも症状が出る人と出ない人がいたり、
また同じ人でも症状が出たり出なかったりするので、
実のところストレス説についてはよくわかっていないです。
お医者様によっては、抗不安薬や精神安定薬などの
向精神薬を処方する場合もありますが、
この薬物治療は、必ずしも有効ではない時が多々ございます。
過敏性腸症候群は、電車やバスに乗っていて
直ぐにトイレに行けない状況にあると症状が悪化します。
いろいろなストレスや緊張なども悪化要因となります。
朝、出かけるときに便秘、下痢あるいは腹痛の症状があり、
夕方、帰宅するときには症状がないか、もしくは軽くなっているのが、
過敏性腸症候群の特徴です。
眠っているときや休日には、一般的には症状はでないとされています。