ストレス以外に過敏性腸症候群が起こる原因としては、
消化管運動機能の異常や消化管の知覚過敏のほかに、
大腸粘膜の炎症や免疫異常などが考えられます。
過労や睡眠不足などで体力が低下していたり、
暴飲暴食、冷えなどによって腸内環境が悪化していると、
様々な症状が起こりやすくなります。
食事の内容がかたより、とくに食物繊維が不足すると、
消化管の運動リズムが整いにくくなり、さらに症状が起こりやすく、悪化しやすくなります。
その中でもやはり一番の原因はストレスです。
過敏性腸症候群は、受験勉強や会社での仕事や人間関係の悩み、
転勤、転職などの環境の変化、身内の不幸などの出来事がきっかけとなって起こることがあります。
つらい出来事だけでなく、入学、入社、結婚などの嬉しいこともストレスになり症状が出る場合もあります。
腸内を食べ物が通過すると、腸管の筋肉にある神経細胞が、「来たぞ」と反応します。
すると、腸の細胞から「セロトニン」という神経伝達物質が放出されます。
セロトニンは、うつ病との関わりが深い物質で、脳に多いと一般には言われていますが、
実は体内のセロトニンのうち9割は腸に存在しているのです。
セロトニンには、腸管を収縮させたり、弛緩させたりする働きも担っています。
大腸や腸管に食べ物が通過することで腸が過敏に反応し、
その結果として、下痢や腹痛を引き起こすのです。