消化管の機能異常は、
自律神経系や脳との関係が深いですので、
自律神経失調症の傾向にある人は、
過敏性腸症候群にもなりやすいといえます。
ふだんの生活で、心理的・社会的にストレスが多い人も、
自律神経が乱れやすいですし、
ストレスによる刺激が腸へ直接的に影響することもあります。
性格的には、几帳面で神経質な人。
子どもでは、大人の言うことに従順な、
いわゆる「よい子」がなりやすいと言われています。
また、普段から息抜きの時間がもてたり、
少しずつでも発散する方法を持っている人は、
症状が起こりにくいです。
逆に、うまく発散することができず一人で抱え込んでしまう人ほど、
もともと敏感な胃腸を刺激し、過敏性腸症候群の症状が出やすくなり、
繰り返すという悪循環におちいってしまいます。
頑張りすぎる性格の人は、
ストレスをストレスと感じずに、
体の方が先に反応してしまうこともあるでしょう。
おなかの症状はリラックスしているときには起こりにくいこともあり、
周囲からは、「気のせい」だとか、「精神的に弱い」
などと言われがちです。
でも、過敏性腸症候群は恥ずかしいことでも精神的に弱いことでもありません。
他の人に比べて少しストレスに敏感なだけで、
体質の一つなのです。