私は約20年前、大学生の頃に発症しました。
時期は定期試験の前からで、下痢型でした。
最高で1時間に11回、つまり5分に1回、激しい便意に襲われました。
このままでは次々にくる試験をのりきれないと思い、内科を受診したところ、
過敏性腸症候群と診断されました。
治療ですが、先生によると「水分を吸収してゲル化してくれる、いい薬がちょうど出た」
とのことで処方してもらいました。
当時はちゃんと認識していませんでしたが、高分子重合体のことだったと思います。
実際、かなり効果がありました。
そして、医学的な効果を認識した後は、心理的にも効果があったと思います。
しばらくは、不安で電車やバスにも乗れませんでしたが、
良く効く薬を持っている、という安心感から乗り物に乗れるようになりました。
その後の経過ですが、現在は病院にかかっておらず、市販薬も飲んでおりません。
ただ、一般の人よりお腹がゆるい状態は続いています。
腸に対する一定以上の刺激が誘因となるようで、1日3回、毎食後に必ず大便にいきます。
よって、外食はあまりせず、近くに利用できるトイレがある状態で食事は取ります。
しかし、それほど深刻にはとらえておらず、便秘の人より健康的ですし、
トイレで本を読む時間も増えて良かったぐらいに思っています。
先日、久々に、昔のような激しい下痢に見舞われました。
発表がある前の晩に、10回ほどトイレに駆け込みました。
最近は、軽い下痢はあったものの、これだけ激しい症状は長らくなかったことです。
食事による腸への刺激以外に、やはりストレスが関係しているようです。
その時は、外出先のホテルで、手元に薬もありませんでした。
原因はストレスですが、腸はいつもより過敏になっており、
食べる刺激から一気に激しい下痢に発展することもありえます。
こういう時の私の対処法ですが、次の日は、水分は少な目、
食事は乾燥した固形の栄養食品のみにします。
具体的にはカロリーメイトです。
これで、今まで何度か乗り切ってきた経験があり、
今回は少し危なかったのですが乗り切ることができました。
過敏性腸症候群は、病気というより、そういう体の状態です。
つまり、ストレスに弱い自分の性質や、刺激を受けると腸が過剰に働く状態などが、
複雑に関与していると思います。
自分で対処する前に、一度は内科を受診することをお勧めいたします。
薬自体の効果も高く、また薬を持っているという心理的な効果もかなりあるものです。
そして、その後は一生薬を飲み続けるという選択もあると思いますが、
気の持ちようと、経験的な対処法で付き合っていくというやり方もあると思います。
私の体験が、過敏性腸症候群で悩んでいる人の助けに、少しでもなれば幸いです。